2010/01/08
一番の心理的背景はタバコに対するネガティブな感覚が薄いことが、中国を喫煙天国たらしめるものだと思う。
4年間の滞在で「タバコは健康に悪いから吸わない方がいいよ」と言われたのは1回だけだ。
日本では毎日のように言われることを考えると、本当に喫煙天国だと思うし、他人に干渉せず受け入れるゆとりや心の大きさがある。
だから未成年でもタバコを吸っている人は多い。
ある中国人は日本に旅行して、タバコを吸ってすぐ消す日本人に驚いたという。
どうせ吸うなら、ゆとりを持って楽しんで吸えばいいのに、何か悪いことをしているようにコソコソ吸っているように見えて、不思議に思ったそうだ。
また中国人はある面では失礼なほどに直接的だが、別の面では遠回しで間接的な表現を好む場合もある。
特に「ありがとう」と感謝する場面や「人と人とが繋がっている」というポジティブさを表す場合で、このときには純粋で恥ずかしがり屋な一面が顔を覗かせる。
そういう精神的背景があって、タバコを人間関係を円滑にする小道具として使っているような側面を強く感じる。
飛行機の席で隣に座って話をした中国人留学生は「中国では周りに配るからタバコがすぐなくなる」と嬉しそうに話していた。
彼は来日当初「日本人は人にタバコを勧めずに、何故一人で吸うんだろう?」と不思議に思ったそうだ。
中国では自分がたばこを吸うときには、周りにいる人にもたばこを勧めて一緒に吸おうとする。
その一連の行為(勧め・受け取り・一緒に吸う)で、ちょっとした連帯感が生まれやすい。
そういうことを目的としている人や実感している人はさほど多くはなく、当然守るべきマナーであると無意識に培われた中国の文化の感情的側面といえるだろうか。
中国のタバコは値段の「格差」が大きい。
吸っているタバコでその人の社会的地位がある程度分かる。
「いつかはクラウン」ならぬ「いつかは中華」(中国で最上級のブランドタバコ)という想いが若い人には強いかもしれない。
貧しい国は喫煙率が高いそうだ。
お腹いっぱい食べられないから、タバコを吸って空腹を紛らわせるとか。
中国全土で考えるとそれはある程度正しいのかもしれないけど、北京に限って考えるとそういうことはないかも。
中国人は健康志向が強い。
それなのになぜ健康に悪いと言われているタバコをそんなに吸うのか?
タバコの害についてはあまり声高に叫ばれないから、もしかしたらある種の薬草と思われている節があるのかも知れない。
日本でも最初にタバコが伝来したときには薬草の一種として紹介されたと言うし、中国ではタバコとお茶が同じ店で売られていることが多いことを考えるとあながちありえない話でもないのかな?
時間やお金にゆとりのある貴族のたしなみ?みたいなポジティブな感じ?